どの肺炎球菌ワクチンを選ぶ?
種類・効果・持続期間を解説
こんにちは。千里ホームケアクリニックです。
肺炎球菌ワクチンには複数の種類があり、
「どれを選べばよいのか」「効果はどれくらい続くのか」
と迷われる方が少なくありません。
現在、日本で成人に使用できる肺炎球菌ワクチンは、
結合型ワクチン3種類、多糖体ワクチン1種類です。
それぞれの効果の質・免疫の持続期間・役割を整理してご説明します。
肺炎球菌ワクチンは2つのタイプに分かれます
結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)
- 免疫記憶が形成される
- 効果が長く持続しやすい
- 高齢者や基礎疾患のある方でも安定した免疫反応
多糖体肺炎球菌ワクチン(PPV)
- 対応する菌の種類が多い
- 免疫の持続は比較的短い
- 追加接種が必要になることがある
①結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)
バクニュバンス(PCV15)
対応血清型
15種類
特徴
- 従来の結合型ワクチンを基盤に、高齢者で問題となりやすい血清型を追加したワクチン
- 「結合型ワクチンとしての基本性能」をしっかり保った改良型
- 接種歴や状況によっては、プレベナー20が使えない場合の選択肢になることがある
効果
- 侵襲性肺炎球菌感染症(重症感染症)に対する予防効果
- 高齢者でも十分な免疫反応が確認されている
免疫の持続期間
- 5年以上持続すると考えられている
- 結合型ワクチンのため、免疫記憶が形成され、急激な効果低下は起こりにくい
プレベナー20(PCV20)
対応血清型
20種類
特徴
- 結合型ワクチンの中で、定期接種の中心となる予定のワクチン
- 1回接種で完結
- 高齢者で頻度の高い血清型を幅広くカバー
効果
- 肺炎球菌による重症感染症・肺炎の重症化予防
- 高齢者においても十分な免疫反応
免疫の持続期間
- 少なくとも5年以上、長期に持続する免疫が期待される
- 免疫記憶が形成されるため、PPV23より持続性が高い
位置づけ
2026年度以降の高齢者定期接種の基本ワクチン
キャップバックス(PCV21)
対応血清型
21種類
特徴
- 日本で使用できる結合型ワクチンとして最も多くの血清型をカバー
- 主に任意接種として使用される
効果
- 侵襲性肺炎球菌感染症に対する予防効果
- PCV20にさらに血清型を追加した設計
免疫の持続期間
- 5年以上の免疫持続が期待される
- 結合型ワクチンのため、免疫の質・持続性はPCV20と同様の位置づけ
位置づけ
- 「より広い予防効果を重視したい場合」の選択肢
- 現時点では定期接種ではなく、任意接種が中心
②多糖体肺炎球菌ワクチン(PPV)
ニューモバックスNP(PPV23)
対応血清型
23種類(最多)
特徴
- 長年使われてきた従来型ワクチン
- 血清型のカバー数は最も多い
- 免疫記憶が形成されない
- 繰り返し接種では効果が弱まる可能性がある
効果
- 重症感染症の予防効果はある
- ただし高齢者では免疫反応が弱くなりやすい
免疫の持続期間
- おおむね5年程度で免疫が低下すると考えられている
- そのため、再接種が検討されることがある
位置づけ
2025年度までの高齢者定期接種の基本ワクチン
免疫持続期間の比較(目安)
表は横にスライドできます
| ワクチン名 | 種類 | 血清型数 | 免疫持続期間の目安 |
|---|---|---|---|
| バクニュバンス | 結合型 | 15 | 5年以上 |
| プレベナー20 | 結合型 | 20 | 5年以上 |
| キャップバックス | 結合型 | 21 | 5年以上 |
| ニューモバックスNP | 多糖体 | 23 | 約5年 |
※個人差があり、基礎疾患や年齢によって持続期間は前後します。
どのワクチンを選ぶかは「効果の質」と「持続」を重視
現在の流れとしては、
- 結合型ワクチン(PCV)を基本に考える
- 定期接種ではプレベナー20
- 任意接種ではキャップバックス(状況によってはバクニュバンス)
- PPV23は補助的・状況に応じた選択
という考え方が一般的です。
まとめ
- 日本で成人に使える肺炎球菌ワクチンはPCV15・PCV20・PCV21・PPV23
- 結合型ワクチンは免疫が5年以上持続しやすい
- PPV23は約5年で効果が低下する
千里ホームケアクリニックでは、
在宅療養中の方やご高齢の方の状況をふまえ、無理のないワクチン選択をお手伝いしています。
どのワクチンが適しているか迷われた際は、お気軽にご相談ください。
参考:令和8年4月以降の高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種の変更点について
表は横にスライドできます
| 内容 | 令和8年3月31日までに接種 | 令和8年4月1日以降に接種 |
|---|---|---|
| 対象者 | 65歳の方(66歳の誕生日前日まで) | 65歳の方(66歳の誕生日前日まで) |
| 接種ワクチン | PSV23ワクチン(ニューモバックス) |
PCV20ワクチン(プレベナー20)
※これまでの23価ワクチンより効果が高く、長く継続します。 |
| 方法 | 皮下注射または筋肉内注射 | 筋肉内注射のみ |
| 接種費用 | 一部負担金2,000円 | 一部負担金6,000円 |
| 接種場所 | 豊中市、吹田市、池田市、摂津市、豊能町、能勢町、島本町内の定期接種取扱医療機関で接種する場合は、事前の手続きなく接種可能※上記以外の医療機関で接種する場合は、「市外実施依頼書」の事前手続きが必要 | 豊中市、吹田市、池田市、摂津市、豊能町、能勢町、箕面市内の定期接種取扱医療機関で接種する場合は、事前の手続きなく接種可能(島本町が対象外となり、箕面市が追加となります。)※上記以外の医療機関で接種する場合は、「市外実施依頼書」の事前手続きが必要 |
(令和8年1月16日時点)


